悪魔の公爵、ソロモン72柱の一人「アガレス」

ソロモン72柱の悪魔の一人。『ゴエティア』『悪魔の偽王国』両方において2番目に紹介される。
位は公爵。『悪魔の偽王国』では「首位の公爵(Dux primus)」と呼ばれる。
オオタカを拳にとまらせ、ワニ(クロコダイル)に乗る魅力的な老人の姿で現れる。
地獄の東方の勢力に属するという。堕天前は力天使の階級に属していた。
彼は逃亡者を走って帰ってこさせることができる。彼は現代におけるあらゆる言語や言葉遣い(『偽王国』では「あらゆるマナーと言葉遣い」)を教える。
霊的、世俗的両面における尊厳・気品を破壊する力を持ち、地震を引き起こすことができる。
『精霊の職務の書』(Liber Officium Spirituum)ではワニではなくコカトリスに乗るとする。
『教皇ホノリウスの書』(Le Grimoire du Pape Honorius)では乗り物に乗らず、手にタカも乗せない普通の老人の姿になっている。
『大奥義書(Grand Grimoire)』によると、ルキフゲ・ロフォカレの配下である。
新紀元社刊『幻想世界の住人たちⅡ』で記された「変化の公爵」が異名とみなされることがある。
これはアメリカのSPI社製TRPG『Dragon Quest』でのアガレスの異名「The Duke of Changes」を翻訳したものとみられる(Ⅰ巻での参考文献にこのTRPGが挙げられており、Ⅱでは既出として省略されている)。
この他、日本語圏では以下のような設定が語られている。
その力はギリシャ神話の時間神クロノスと同じものだという。
また、確立された力と強さ、希望の実現、労働の完成、闘争の成功をも支配し、「変化の公爵」の異名をとる。
もともとナイル川流域の農耕神であり、同時に時間を司る神。
異教の神であることからやがてキリスト教に悪魔と見なされ、そのまま復権することなく現在に至るという。
そして起源は、七星の土星を司る神だったとする説がある。